私は、言語聴覚士という立場で約10年間、医療・介護のリハビリの現場で臨床を行っておりました。その中で、リハビリを提供する時期や質にいつも疑問を感じながら、仕事を行っていました。印象に残っている脳血管疾患後遺症の方は、４点杖を使用すれば歩行できるにも関わらず施設では車イス対応、特殊浴槽で入浴をしていました。ある認知症の方は、内服治療を早期に開始し、適切な生活訓練を行えば、自宅での介護負担も軽減できるのではと考えるケースもありました。拙い経験の中で医療・介護の現場において、介護予防、地域への社会復帰の観点から、私が考えるリハビリや地域参画が行える施設を運営してみたいと設立したのが、株式会社クローバー佐渡になります。

実際に、施設を運営してみると、医療・介護の現場では、私が想像していたよりも、大きな反響や手ごたえを感じました。逆に、現在の施設運営では介護サービスが行き届かない面もあり、ご利用者様やご家族様にご不便をおかけした点もございました。このような問題点に対する解決策として、社会福祉法人設立と小規模特養の整備が急務と感じ、設立に向け邁進していく決意をしております。

特に、認知症の対策については、団塊の世代が後期高齢者に入ってくると、爆発的に増加することが見込まれています。私達が今まで認知症グループホーム等で培ってきたノウハウを活かし、今回の施設運営に反映させていければと考えています。また、認知症予防においても、地域ぐるみで認知症予防や認知症の早期発見を行うことが重要と考えています。ご利用者様やご家族の介護負担を軽減するだけでなく、ご利用者様の健康寿命を延長し、いきいきと過ごしていける地域作りのお手伝いを、施設サービスと在宅サービスを合わせて提供していきたいと考えています。まさに、地域密着型サービスの理念に沿うものであり、新しい形での援助のありかたを模索していきます。

今回、社会福祉法人で、小規模特養、認知症対応型デイサービス、小規模多機能型居宅介護を通じて、これから佐渡ヶ島に訪れる更なる少子高齢化や認知症の方の増加等に対応できる地域に根ざした施設運営を行っていきたいと考えています。